カララー日記(過去)



2003年2月



2.28

CARRARAを選んだ理由がもう一つありまして、
トゥーンレンダリングができるところがよさげでした。
というのもリアル系の3DCGにはあまり興味がないみたいなことを
前にも言いましたが、非リアル系ならアニメ調の質感を出せる
トゥーンレンダリングが有効的だと思いました。
ですのでこれから作る作品はトゥーンレンダリングを前提として
作っていきますのでグローバルイルミネーションとかやりません。
時間もかかるし。

今日はなんかしりませんがタバコの煙を作ってみようと思いました。
CARRARAにはなんか霧とか雲とか作りたいときは
オブジェから霧だったり雲を選んで、置くだけでオッケーだったりと
すごい便利な機能があったりします。
なのでとりあえず霧を細くすればタバコの煙ぽくなるだろうと思い
霧オブジェをいろいろといじってみました。

そして一応それっぽいのはできたのですが、なんか違和感ありありです。
というのも全体がトゥーンなアニメ調なのに対し、
煙だけ妙にリアル路線をつっぱしっているのです。

ああリアルさが裏目に出たかと鬱になりましたが
なんとかアニメっぽい煙は作れないだろうかと考えました。

しかしポリゴンで煙っぽいような形を作ってもどうだろうと思い、
とりあえずパーティクルシステムを使ってみました。
これは花火や噴水とかなんか粒子が噴出すようなものを作る機能で、
噴出すものをなんかモクモクした感じにすれば
煙を表現できるのではと思い、いろいろと設定をいじりました。

そしてできたのがこれです。



微妙でした。




2.27

しかしまあ話をするだけでCARRARAの画像が一つも出やしない
ホントにCARRARAやる気あんのかみたいな状態が続くので
今日はモデリングについてちょっとした実験でもやってみて
なんかちゃんとやってるんだぞ的な雰囲気を出そうかと思います。

CARRARAのモデラーにはサブディビジョンという
ブルーマンデーでニューオーダーな機能があるのですが、
これはポリゴン数を増やさずに面を滑らかにしてくれる機能です。
まず、立方体を普通にレンダリングするとこうなります。



そしてこれにサブディビジョンを使ってみるとこうなります。



左がサブディビジョンのレベルが低くて、右が高めに設定してあります。
高ければ高いほど球体に近いのがわかります。

このとき球にしたいのではなく、立方体の角を丸くしたい場合は
どうするのかを考えます。
サブディビジョンはエッジや頂点ごとに反応するので
それらの条件を変えた立方体をいくつか作ります。



とまあ3つ作ってみました。
1はなんかガタガタしている感じがします。
これは1のポリゴンがすべて三角形で作られているのに対し、
2、3は四角形のポリゴンで作られているからです。
2と3のちがいはポリゴン数で、2の方が多いです。

というわけで立方体の角をちょっとだけ取りたいという人は
ポリゴン数を多めにするといいと思います。
それに四角ポリゴンで構成したほうがよさげです。
四角ポリゴンでの立方体を作る方法として、
グリッドをいくつか張り合わせたあと頂点を接合させて作ってみました。

ちなみにサブディビジョンレベルなんですが、
高めに設定してもポリゴン数や頂点が多い場合は
大きな変化はありませんでした。
高いと処理に時間がかかり重くなるので
なるべく1〜3あたりのレベルに設定したほうがいいみたいです。

というわけでなんかいかにも実験ぽいことをやりましたが
役に立つかどうかは不明です。
モデリングはメタセコでやるからどうでもいいという人が
多そうなので無意味なような気がしてきましたが
気にしない方向でやっていきます。



2.26

さてそろそろモデリングを開始しようかと思いましたが、
設定がまだちゃんとしていないのでもうちょっと練り上げてから
制作に入ろうかと思います。
この段階をおろそかにするとあとでぐだぐだになってきそうなので
なるべく慎重にやっていきます。

そしてそんなに制作のみだけの話をするのにも限界があるので
ちょっとした小話だったりどうでもよさげな話もします。

と言いつつCARRARAについてですが、
どうやらCARRARAはモデラーが弱いそうです。
ですのでモデリングにこだわりたいという人には
メタセコを使うといいらしいです。
自分はあんまりこだわるつもりはないので
CARRARAのみで完結させるつもりです。

自分はいままで作品を作るのに絵コンテだったり
プロットみたいなものは作らず、ある程度シナリオが
頭の中で組み立てられたら制作を始めてしまいます。
そして作りながら展開を考えていったりして
なんとかそれで完成まで進めることはできていたのです。

がしかし予定してた内容と全然違うことになることがあって
大幅な修正をするはめになったりすることがよくありました。
今回はそんなことが無いように絵コンテなどから
やってみようと思います。

一つ問題があって、絵がびっくりするほどヘタなのです。
絵を書いても意味がわからないのではと心配です。
とりあえず文章で補いまくるようにします。



2.25

さて今後の予定なのですが、まず制作期間から考えます。
さすがに完成させるのに何年もかかるとか言い出したら
やってられないというかキリがないので、最高でも半年ぐらいとして、
目標としては3ヶ月で完成を予定しています。

そしてどういったものを作るかというと、
エンターテイメントであるということを前提にして、
アクションと笑いを取り入れたアニメを作ろうかと思います。
まあ簡単にいうとジャッキーチェンの映画みたいなのです。
それよりももうちょっとコメディ寄りというか
コントっぽい感じにするつもりです。

なんでそういうのを作ろうかと思ったかというと、
基本的には笑いを中心とした作品を作りたいと思ったのですが、
漫才はさすがにありえないだろうということで却下し、
コントなら設定次第でなんとかなるのでは、と思いました。
しかしセリフが中心のコント、ボケてつっこむみたいな
パターンは厳しいものがあると思い、
それなら動きで笑いを取るパターンならいけそうではと考えました。
そしてアクションは以前作ったことがあるからある程度慣れてるので、
格闘シーンをベースとしたお笑いコントという設定にしました。

細かい設定についてですが、そんなにこったシチュエーションではなく
ベタなものにしようと思います。
なんか悪人を退治しにいくみたいなノリでいこうかと思います。
舞台は室内で、主人公が悪人の部屋に単身潜入し、複数の雑魚を
一対複数の形で相手をする設定にします。

そして戦いつつもなんかオチャメなことが起きたり
ちょっとしたユーモアがあったりとなんだかあいまいですが
普通にアクションしていくというよりもコントが繰り広げられる
といった感じです。

そうこうしているうちに悪の親玉が登場し、ここでは1対1で
バトルをしつつもユーモア精神は忘れないといった設定です。

そして合計時間ですがこれはちょっとまだ未定です。
あまり長くするつもりはありませんが、
どれくらいだと長いのかがよくわかりません。
とりあえず5〜20分と幅広めに設定しようかと思いますが、
実際作り始めてから予定変更する可能性大です。

というわけで最初の設定の段階からあいまいなことが多いんですが
作っていくうちに変更したりなんだりしてごまかします。
あとやたら進行が遅いのですがとりあえず毎日継続させて
やっていくので遅いことは勘弁してほしいです。
地道にやっていきます。



2.24

今日は一般人からみた3Dアニメとはどんなようなものか考えます。
2Dならともかく、3Dとなるとそんなに浸透していません。
フル3DCGアニメで考えると、トイストーリーやモンスターズインクなどしか
メジャーといえるものはないかと思われます。

さらに普通の人なら3Dアニメをどうやって作るのか
わかっている人は少ないと思います。
2Dなら絵を少しずつ動かすパラパラマンガみたいなのって
なんとなくわかるかもしれませんが、
3Dアニメはコンピューターでなんかするぐらいしかわからないかと思います。

もっともわからないと思うのは使用してるソフトについての違いです。
3DCGソフトはいろいろありますが、
基本的には値段の高いソフトの方が高性能かと思われます。
ここでいう高性能とはいかにリアルに近づけることが容易かどうか、
また作りたいと思うものを作りやすいかどうか、
また生産性の高さ、作業に膨大な時間がかからないかどうかなど
これらの要素を満たすソフトが高性能であるといえると思います。

そしてこのソフトの違いがわからないというのは非常にくせものです。
ものすごい高級ソフトで作ろうがフリーソフトで作ろうが完成品がすべてであり、
製作過程はブラックボックス化してるのが現状です。
完成品でしか評価の判断ができないということです。

3DソフトでShadeはアニメーションの機能が貧弱とよくいわれますが、
例えばこのソフトで良い感じに動くアニメを作ったとします。
3DCGソフトについてある程度知っている、もしくは経験者の人に対し、
このアニメはShadeで作ったんだと言ったら、
Shadeで作った、ということ自体が評価されることがあるでしょう。
そのソフトでアニメをする難しさを知っているからです。

では普通の人、つまり3Dアニメは見るぐらいでやらない人に
このアニメはShadeで作ったんだと言っても、
へー、よく動くね。ところでShadeって何?となるかと思われます。
そのソフトでアニメーションするのがどれだけ大変なことか、
ということは一切伝わりません。Shadeはどうこうだから
大変なんだよとか説明するわけにもいきませんし、
説明したとしても伝わるかどうかわかりません。
3Dやらないやつに何がわかるんだと逆ギレされても
やらない人の判断基準が普通です。やってる人が特殊なのです。

かといってすべてはソフト次第というつもりはありません。
作る人の技術やセンスが重要ということは言うまでもないことです。
がしかし3DCGアニメはソフトによる依存度が高いということも
言えるのではなかろうかと思います。

以上のことを踏まえた上で、CARRARAはどうなのかと考えると
たしかに高性能ではあるとは思いますが、MAYAなどのハイエンドソフトには
及ばないというか値段も何倍、何十倍も差がありますから当然です。
MAYAと同じくらいすごかったらみんなCARRARAを買います。

では低価格ソフトは高級ソフトにかなわないかというと、そうとも思えません。
つまりはソフトの性能になるべく頼らないようなアニメ、
ソフト自体の特性を生かしたアニメ、
アイデアを重視したアニメを作ればいいのです。

映画やゲームのムービーのようなリアルを追及したアニメは
ソフトの性能による依存度が高くなりますので
そういうアニメは避けた方が賢明かと思われます。
出来ない、作れないというつもりはありませんが、
どんなソフトを使おうが苦労をするのは当然である上、
高級なソフトよりも不利であることは目に見えてますし、
不利であることを乗り越えることは良い事ですが、
そのこと自体が評価されるわけではありません。

ハイエンドソフトにはハイエンドソフトなりの方向があると思います。
CARRARAにはCARRARAなりの方向があると思います。
同じ方向を目指すことはできますが、結果が全てである以上
それは得策とは思えないということをいいたいです。
むしろ表現手法の幅が広がるので良い事だと思います。

個人的にはそんな結果がすべてのシビアな世界であることが
当然のことだと思います。スポーツの世界と同様です。
誰もが努力している、どんなソフト使おうが努力しているのは当然です。
MAYAだから楽、Shadeだから大変、みたいな考え方はとんでもないです。
論外です。MAYA買えと言うしかありません。

ついでですが、なぜCARRARAを選んだのかというと
まず単純にお金がなかったというのもありますが、
低価格ソフトでも良い物が作れるんだ
ということを言いたかったというのがあります。
それ自体を評価してほしいというわけではなくて、
ただ単にそういったテクノ、ヒップホップぽい精神が好きなだけです。
まあまだなにも作品ないので説得力もクソもありませんけど。
あとはインターフェイスが良い感じで使いやすそうでした。
それとアニメーションがやりやすそうだったのもあります。

ずいぶんと長くなってしまいましたが、
3Dアニメについての考え方をまず言っておいた方が
今後作る作品の意図がわかりやすいかと思ったので書きました。
明日こそ今後の作品の予定を書きます。



2.23

文のスタイルをちょっと変更しました。

今日は今後の予定について考えようと思っていたのですが
予定を変更して3DCGアニメーションについての考察をします。

3DCGの優れているところといえば、リアルな質感、空間、陰影など
2Dに比べてリアリティを表現しやすいかと思われます。
さらにアニメーションをするとして考えると、カメラワークや
立体の表現のしやすさ、物体の動かしやすさが優れてると考えられます。

では3Dアニメーションは楽に作れるかというと、そうでもありません。
リアリティをもたすにはそれなりの苦労があります。
特にリアルな人間なんか作ろうとするなら、
普通に歩かせるだけも相当な技術が必要かと思われます。
そもそも人間のモデリング、特に顔を本物に近づけようとするならば
それこそプロ並みの腕を持ってなければ出来ないかと思われます。

そのため3Dで作った人間にありがちな、本物に近づけようとしたんだけど
なんか変、妙に違和感ありあり人間をよく見かけるかと思われます。

しかし3DCGソフト自体も日々進化し、個人では手の届きにくい値段のする
高性能のソフトも安くなったり、髪の毛を簡単に作ってくれるプラグインなど
これまで難しかった作業が以前より簡単にできるようになりました。
そのためそんな高価なソフトを買わなくてもリアルなモノを作ることが可能になりました。

がしかしそれは静止画での話であって、アニメーションとなるとまた話は別です。
たしかにリアルなモノを作るのは楽になったかもしれませんが、
リアルな動き、特に人間の動きなんて一苦労です。
さらにはPCの性能も高くなければ作業が大変です。

ここで言いたいことは、リアルに作れることが果たしてメリットなのだろうか
ということです。会社だったり、大勢の人数で一つの作品を作る、
一人で何年もかけて作るといったリアルに極限に近づけることができる場合
もしくは3DCGで爆発を表現するときなど、
リアルでなければ意味がない場合であるなら話は別です。
しかし一般的な個人レベルで考えると、リアルとは作業が大変になる
というデメリットの方が大きいかと思われます。

そこで考えられるのが2Dアニメーションでもよくあるデフォルメです。
これにより表現、作業の簡略化が可能かと思われます。
しかしこれはリアルから遠ざかるということであるため、
3Dのメリットをある程度犠牲にすることになります。

では3Dでアニメーションをやるメリットはどこにあるのか考えると、
カメラワーク、立体表現、物体の動かしやすさにあり、
モデリングなど物体そのものの表現にあまりメリットは感じません。
むしろそのあたりのデフォルメの記号化は2Dの方が勝っていると考えられます。
例えば2D人間なんてリアルから程遠いはずなのに、
それは人間だ、と認知されやすいです。

そういったようなことを踏まえた上で3Dアニメを作っていく予定です。
簡単に言うと、モデリングにはこだわらずに極力デフォルメし
物体とカメラの動きにこだわるということです。
まあこの一言で十分だったような気もしますがまあいいです。

明日こそ今後の予定、具体的に何を作るかみたいのを
書こうかと思ったのですが、
その前に3DCGの一般性というか認知度みたいのを考えてみようと思います。
なかなか作品が進みませんがおそらく今後もこんな調子でまったりです。



2.22

昨日の日付を間違えましたので修正しました。
今日は制作環境やサイトの方針、目標などについて詳しく説明したいと思います。

マシン構成
自作マシン
CPU:ペン4 1.5Ghz
メモリ:256MB
ハードディスク:40GB
ビデオカード:よくわかんない GeForce2 MX
OS:Win98SE

といった感じでバリバリな3DCGをやるにはやや厳しいスペックかもしれませんが
まだまだ問題なくやっていけると思います。

ソフトはCARRARA STUDIO 2を使用しています。
このソフトの日本語版は2002年の12月に発売されただけあって
まだマイナーではあると思いますが値段の割に多機能かつ高性能だったり
コストパフォーマンスが良いと評判です。

また今年の1月31日に廉価版のCARRARA 3D BASICSが発売されました。
値段も安いのでこれから3Dをやろうかなという人にお勧めです。
詳しくはCARRARA日本公式サイトを見るとよくわかると思います。

さてこのサイトの方針ですが、まず静止画を展示する予定はありません。
メインはアニメーションで、その製作過程を日記にするのが目的です。
日記にアニメーションの制作途中の画像をはることはありますが、
静止画のみの作品は作らないつもりです。

したがって性質上アップされる作品は少なくなってしまい、
なかなか出来上がらないじゃないかという現象に陥ってしまいます。
ですのでCARRARAの性能が知りたかったり作品が見たかったりという人には
あまり向かないサイトです。まあ制作日記がメインと考えて頂きたいです。

一応言っておきますが、CARRARAは「カララー」と読まないです。
「カーララ」もしくは「カララ」と読むのが一般的かと思われます。
明日は今後の予定について語ろうとかと思います。




2.21

ホームページを開設しました。
このサイトはCARRARAで3DCG制作の過程を日記にすることをメインでやっていきます。
具体的なテクニックや手法など技術的な解説は一切やりませんというかできません。
初心者なのでこっちが教えて欲しいぐらいの勢いです。
なるべく毎日更新していきたいと思います。




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